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成年後見人選任

最高裁は,後見人には「身近な親族を選任することが望ましい」との考え方を示しめしたと報道されています(平成31年3月18日配信 朝日新聞デジタル)。成年後見制度発足当初は,圧倒的に親族が成年後見人に選任されていました(親族後見人)。ところが,後見人になった者ないしその家族による不正が目立つようになり,第三者である弁護士等の専門職を選任する方向転換がなされ,現在では,第三者後見人選任が親族後見人選任を上回るようになっています。今回の方向転換は,成年後見人制度の利用が低調であることを背景にして,本人の利益保護の観点から親族らを後見人に選任することが望ましいとする方向転換になったようです。後見人による不正行為を防ぐ手立てが制度としてできあがっていない以上,以前のように親族後見人の不正が増えないか心配です。

2019年03月20日

特別養子縁組

法制審議会(特別養子制度部会)は,特別養子縁組の養子となる者の年齢を原則6歳未満から15歳未満に引き上げることなどを内容とする民法改正要綱案をまとめました(平成31年1月29日)。この背景には,虐待を受けるなどして児童養護施設や乳児院に入所している子供は,平成28年当時において約3万人いると言われており,社会的な養育を必要とする事情があります。

2019年02月07日

改正相続法の一部施行

平成30年7月6日に相続に関する民法の規定が改正された。およそ40年ぶりの大きな見直しとされている。改正法は,順次施行されていくが,そのトップバッターとして,自筆証書遺言の方式緩和の部分が,平成31年1月13日から施行された。
自筆証書遺言を作成する場合に,特定の財産を特定の相続人に承継させたい場合に財産を特定することが必要であるが,多数の財産があると,すべてを自筆することは,負担が大きいと言われていた。そこで,財産目録を別紙として添付する代わりに自署を不要とすることとし,パソコンなどで作成した書面を別紙として添付することが許された。ただし,別紙のすべての頁に署名・押印することが必要とされている。

2019年01月16日

成年後見診断書

成年後見の申立てをする際,成年後見用の診断書の提出が必須とされています。裁判所によって細かい項目は異なりますが,概ね同趣旨の項目について記載するような診断書の様式になっています。このたび,平成31年4月から診断書の様式を変更することが報道されました(2019年1月15日共同通信)。財産管理能力に着目した現在の診断書の様式を改める,保佐,補助の類型の活用を広げるなどの意図があるようです。

2019年01月16日

バドミントンプレー中の事故と損害賠償

バドミントン教室の仲間4人が体育館でプレー中,ペアの女性がシャトルを打ち返そうとラケットを振ったところ,前にいた女性の左目に当たり,女性の目が見えづらくなり生活に支障が出た事案について,裁判所が損害賠償を命じたことが報道(共同通信)されました。スポーツ中の選手同士の事故であり,ボクシングなどのスポーツと異なることから,損害賠償が認められたものと思われます。今後は,保険に入っておくことが必要になるでしょう。

2018年11月01日

財産開示

今般の法制審議会の要綱案によれば,現行の財産開示手続の見直しがなされようとしています。これまで,財産開示の制度は余り使われてきませんでした。今回は,第三者から債務者財産に関する情報を取得する制度を新設しようとするものです。例えば,養育費に関して,調停が成立したものの,支払がなく,差し押さえる財産が明らかでない場合,申立てにより,金融機関や公的機関に債務者の預貯金や勤務先を照会することができるようにするようです。これにより,差押えが可能になります。

2018年10月15日

子の引渡し執行改正

離婚などに伴う子の引渡しの強制執行については,民事執行法上,明文の規定がありませんでした。法制審議会の要綱案によれば,今般,子の引渡しの強制執行に関する規定の明確化がはかられるようです。このうち,親権を持つ親がその場にいれば,引渡しを命ぜられた親が現場にいなくとも,子の心情への配慮を条件に引渡しが可能となる点が,比較的よく報道されていました。これまで,執行の現場では,子どもが泣いたり,拒否したりして執行不能になることも多かったようです。法律の改正により,執行がスムーズに行くことになるかどうか見守りたいと思います。

2018年10月10日

養育費不払い補填

共同通信社(平成30年10月4日)によれば,明石市において,離婚相手から受け取るはずの養育費が滞っているひとり親家庭を対象に,最大月5万円の援助が受けられる制度を試験的に導入するということです。報道によれば,養育費の取り決めがなされていたことが証明できることが必要なようです。少しでも子どもの健全育成につながることを期待したいと思います。

2018年10月05日

成人年齢

成人年齢を20歳から18歳に引き下げる改正民法が平成30年6月13日に成立しました。施行は2022年4月1日です。さまざまな場面で影響が多いと思いますが,家事調停の実務では,養育費の支払の終期を原則として20歳としていますので,今後,実務がどう動くのか注意をする必要があります。

2018年06月14日

養育費

養育費などの決め方について、最高裁の設置機関が見直しも視野に研究を始めることが報道されました(読売新聞WEB ヨミドクター 平成30年5月8日)。現在の実務では,養育費を算定する際に,いわゆる標準的算定表を使用しています。かなり以前に作成されたもので,時代のニーズに合わなくなっているようにも思えます。この算定表に基づく金額だと,父側と母子側とで生活の格差が出ているといわれています。実務を指導する適切な算定表が早期にできることを期待します。

2018年05月18日

法科大学院

平成30年度の全国の法科大学院の志願者が,前年度比1%減の延べ8058人と11年連続で減少しました。(日経電子版H30.5.14)司法試験合格率の低迷などが原因でしょうか。将来の法曹界が心配です。

2018年05月16日

所有者不明土地

土地の登記名義が,古いときの名義のままで相続になっても登記名義の変更がなされず,現時点では所有者が分からなくなった土地のことをいいます。登記名義人が死亡しても戸籍を丹念にたどれば現在の所有者が判明することもありますが,その場合でもその数が多数にのぼったり,中には外国で生活し連絡が取れなくなったりなど所有者が分からない場合もあります。このような土地は,かつては,資産価値の乏しい山間部に多く,高速道路の建設などの事業がはじまると,事業の推進に大きな妨げとなっていました。最近のメディアによれば,都市部でも宅地を中心にこのような土地が増え,例えば,道路拡幅のための土地の買収もできなくなっているようです。民法や不動産登記法の改正が待たれるところです。

2018年02月13日

再婚禁止期間

女性の再婚禁止期間が,6か月から100日に短縮されました。平成28年6月7日から施行されています。なお,再婚禁止期間内でも再婚できる場合について明らかにされました。
ただ,短縮しても,再婚禁止期間内に事実上の再婚をすることを阻止することはできないと思われる。

2017年10月18日

キラキラネーム

難読漢字や当て字を使い読み方が難しい名前をいいます(現代カタカナ語辞典より)。最近は,このような名前がかなり見受けられるようになりました。戸籍法50条には,子の名には,常用平易な文字を用いなければならないとされ,その文字の範囲は法務省令で定めることになっており,常用漢字,人名用漢字,ひらがな及びカタカナに限られています。他方,戸籍上は,名前に漢字を使った場合,読みを問題にすることはしていません。以前は,戸籍の名にふりがなを付けることが行われていた時期がありましたが,最近ではそのようなことはなくなっています。キラキラネームは,最近の傾向なのでキラキラネームを変更をするために家庭裁判所の許可を得るような事例はほとんど見受けられませんが,将来,キラキラネームを変更したいと家庭裁判所に申立てをしてくる可能性はありそうです。名の変更には「正当な事由」が必要とされています(戸籍法107条の2)が,難解難読の文字を用いたものについては,名の変更が許可される傾向にありますので,キラキラネームの場合も,名の変更が認められる可能性はかなりありそうです。

2017年10月10日

死後離婚

「死後離婚」は,マスコミによる造語です。ひらたく言えば,妻が亡くなった夫の親族(これを姻族といいます。)との縁を切ることです。
ところで,姻族関係は,①離婚によって終了する,②夫婦の一方が死亡した場合には,生存配偶者が姻族関係を終了させる意思を表示したときにも終了するとされています(民法728条)。
「死後離婚」は,上記②の場合に該当します。手続は,市町村に姻族関係終了届を出す(戸籍に記載されます。)だけで,家裁の許可なども一切いりませんし,夫の死後,いつでもでき,期間制限もありません。
姻族関係が終了すると,①妻は義父母を扶養する義務がなくなります(民法877条2項参照),②死亡した夫の相続人としての地位は維持されていますので,遺産相続や年金の受給に影響はありません,③ただ,亡くなった夫の家のお墓には入ることができなくなります。④また,姻族関係終了の直接の効果ではありませんが,妻は,夫が死亡したとき,婚姻前の氏に復することができます(民法751条1項)。

2017年04月02日

コンビニ交付

マイナンバーカードを利用して市区町村が発行する証明書(住民票の写し,印鑑登録証明書等)が全国のコンビニエンスストア等のキオスク端末(マルチコピー機)から取得できます。マイナンバーカードを持っていることが前提ですが,忙しい人には朗報です。

2017年03月02日

成人年齢

成人年齢を現行の20歳から18歳に引き下げるための民法の改正案が来年の通常国会に提出される方針であるとの報道がなされました。選挙権年齢が18歳以上になったことにあわせることになります。ただ,少年法の適用年齢は現行のままとなる見込みが強そうです。

2016年08月20日

法定相続情報証明

相続人の氏名や本籍などの情報をまとめた証明書の発行をする制度(法定相続情報証明制度)が,法務省で検討されているようです。不動産や金融資産のある相続の場合,法務局,銀行,証券会社などに対して,戸籍を準備して手続をすることになりますが,ずいぶん手間がかかるものです。法定相続情報証明制度は,相続情報の証明を省力化しようとするものです。一度,必要な書類をそろえて法務局に提出して,法務局が内容を確認すれば,公的な証明書ができ,その写し(1枚の証明書)をもって,相続情報を証明することができるようになり,以後は,法務局のみならず,銀行,証券会社等でも利用できることにするようです。ただ,一度は必要書類をそろえて法務局に提出する必要があり,「相続関係図」を作成したりする手間は,誰かが一度はしないといけないことになります。そのため,これまでと同様,戸籍の取り寄せなどが必要であり,事案によっては戸籍が多数となり大変な場合があるのですが,仕方のないことでしょう。

裁判の場面でも利用が可能なように思われますが,これからの制度設計に期待したいと思います。そうなると,裁判所に提出する添付書類が大きく様変わりしそうです。

 

2016年07月08日

「花押」判決

 最高裁平成28年6月3日判決は,「花押を書くことは,印章による押印と同視することはできず,民法968条1項の押印の要件を満たさないというべきである。」としました。これにより花押は,自筆証書遺言において,有効な押印とはいえないことになりました。
 ところで,最高裁昭和49年12月24日判決は,英文の自筆遺言証書に遺言者の署名が存するが押印を欠く場合に,同人が日本に帰化した白系ロシア人であるほか,主としてロシア語又は英語を使用し,交際相手は少数の日本人を除いてヨーロッパ人に限られ,日常の生活もまたヨーロッパの様式に従い,印章を使用するのは官庁に提出する書類等特に先方から押印を要求されるものに限られていた等の事情があるときは,上記遺言書は有効と解すべきであるとしています。これによれば,押印の文化を持たない者で日本に帰化した者に対しては,自筆証書遺言として「押印」を要求しないということになるのでしょうね。
 そもそも,外国人の署名押印に関しては,外国人ノ署名捺印及無資力証明ニ関スル法律(明治時代に制定されていますが,今も生きている法律のようです。)があります。同法第1条第1項では「法令ノ規定ニ依リ署名,捺印スヘキ場合ニ於テハ外国人ハ署名スルヲ以テ足ル」,第2項では「捺印ノミヲ為スヘキ場合ニ於テハ外国人ハ署名ヲ以テ捺印ニ代フルコトヲ得」と規定されています。かつて,押印の文化を持たない外国人が,日本の裁判所に提出する文書に署名した上,印章による押印(文字はすべてカタカナ)をしているのを見たことがありますが,これは,その外国人が気を利かせたからでしょうか。
 少し話題が変わりますが,押印を厳しく要求している銀行において,押印を緩和する動きがあるようです。たとえば,三井住友銀行は,平成28年4月12日,サインのみで本人確認が可能な「サイン認証」サービスを,今年度内に国内支店で導入予定だと発表しました。これにより,口座の開設等をはじめ住所変更等の各種諸届で,印鑑が一切不要となります。上記「サイン認証」は,顧客が事前に登録したサインに関する電子データ「時系列の筆運び(距離,方向,筆圧など)」と,取引の際のサインに関する電子データを照合することで本人確認を行い,手続を受け付けるサービスとなっているそうです。(マイナビニュース平成28年4月13日参照)このほか,インターネットバンクでは,口座開設に印鑑がいらなかったように記憶しています。
 印章による押印を重視する慣行は根強いものがありますが,わずかながら印鑑不要の気配も見えてきたようにも思います。
 ちなみに,現在,民法(相続関係)部会で相続法改正が議論されていますが,自筆証書遺言の加除訂正の方式として「署名」だけにするかどうか議論がなされているようですが,自筆証書遺言に要求している本来の押印に関しては議論の対象にはなっていないようです。

 

2016年06月06日

最近の民法改正

 昨年(平成27年)から民法改正の動きがやや目立ってきました。以下の1,2の法律改正についてはまだ時間がかかりそうですが,3(再婚禁止期間の短縮等の部分),4については法律として改正されそうです。ただ,3のうち夫婦別姓については,議論が鋭く対立しており法律改正ができるかどうか不透明なようです。


1  民法(債権関係)部会第99回会議(平成27年2月10日開催)において,民法(債権関係)の改正に関する要綱案」が決定されました(法務省HP)。
2 上川陽子法相(当時)は平成27年2月24日の法制審議会(法相の諮問機関)総会で,配偶者の遺産相続を手厚くする民法見直しを諮問しました。遺産分割が終わるまで自宅に住めるようにする措置を検討するというもの(日経新聞WEB 2015/2/25 1:12)。その後,法制審議会民法(相続関係)部会第12回会議(平成28年5月17日)において,民法(相続関係)等の改正に関する中間試案のたたき台について,検討がされました(法務省HP)。
3 民主党(当時)は平成27年6月12日,選択的夫婦別姓や女性の再婚禁止期間の短縮等を含む「民法の一部を改正する法律案」を,共産,社民両党の他,無所属の糸数慶子議員,無所属クラブに所属する薬師寺道代議員と共同で参院に提出しました(当時の民主党HP)。
4 女性の再婚禁止期間を離婚後6カ月間と規定している民法733条を100日に短縮し,離婚時に妊娠していないことなどを証明できれば禁止期間内でも再婚を認めるとする民法改正案が平成28年5月24日,衆院本会議で可決されました。参院に送られ今国会で成立する見込み(産経ニュースWEB2016.5.24 17:49)。

2016年05月31日

タージンさん

先日,タージンさんのインタビューを受けました。WebマガジンのB-plusの2016年4月号(西日本)に掲載されています。私の法律事務所開設の意図などを理解していただければ幸いです。

 

2016年04月20日

預貯金と遺産分割

これまで,相続人の合意がない限り,預貯金を遺産分割の対象とできないとするのが実務の大勢でした。先日,合意がないとして遺産分割の対象外とした事件が,大法廷に回付されたとの報道がなされました。上記の実務に影響する判断が出てきそうです。

ところで,遺産分割調停事件では,預貯金も遺産として挙げて申し立てる例が多く,そのまま手続が進行し,預貯金も含めて遺産分割調停が成立することもかなりあるようです。相続人の意識としては預貯金は遺産であるとの認識が強いものと思われます。預貯金は可分債権であるから相続開始とともに当然に分割されるとのこれまでの判例と,相続人の上記認識との間に大きな相違があるように思われます。大法廷の判断を待ちたいと思います。

2016年03月25日

読書(真田太平記)

今年のNHKの大河ドラマにちなみ,池波正太郎の「真田太平記」を読み始めました。文庫本で12巻あり,当初は,少し尻込みをしたのですが,時代劇小説が好きだったこともあり,空いた時間を使って少しずつ読んでいこうと思っています。
池波正太郎の作品の中には「忍者もの」がありますが,「真田太平記」にも忍者が活躍しています。大河ドラマとはかなり趣が異なっています。

2016年03月11日

ブログ始めました

横山光雄法律事務所のホームページを始めました。
ブログでは,法律に関する事柄,日々の出来事そのほか感じたことなどなどを綴っていきたいと思います。

2016年03月11日