離婚調停概略

1 離婚 離婚原因
 調停委員からは,調停に臨んだ当事者の意向,離婚を希望する場合には離婚原因となるような事情も聞かれます。その後,離婚に向けての話し合いになるのか,円満修復に向けての話し合いになるのか,話し合いの方向性が出されます。
 双方が離婚を了解すれば,離婚に際して決めるべき事項(特に以下の2ないし7の事項)についての話し合いに進みます。

2 親権者
 夫婦双方が未成年の子の親権を持っています。民法では,離婚に際して未成年の子ごとに夫婦のいずれが親権者になるのか決めなければならないとされています。これまでの生活状況,養育状況,未成年の子の年齢などを考慮しながら,いずれが親権者として相当なのかが話し合われます。
 親権者を決めるについて,比較的容易に合意できる場合がある反面,双方が親権者について固執する場合もあります。この合意ができないと,離婚調停は成立しませんので,親権者で合意ができなければ,離婚訴訟を提起し判決で親権者を定めてもらうしかありません。

3 養育費
 離婚により未成年の子の親権者にならず,離れて暮らすようになった親は,未成年の子の養育に必要な費用(養育費)を支払うことになります。
 具体的な金額は,双方の収入をもとにして,算定されます。その際,実務では,おおむね標準的算定表が使われ,これに基づいて金額の合意がなされます。
 いつまで支払うかについては,未成年の子が20歳になるまでとすることが多いのですが,大学進学等を考えて22歳になるまでとすることも比較的よくみられます。

4 財産分与
 婚姻中に夫婦で形成した共有財産を清算することになります。実務的には,不動産や預貯金などが財産分与の対象となることが多い。不動産については,その価額を出し,住宅ローンが残っていれば負債として差し引き計算をして,清算する金額を算出します。
 清算する金額が判明すれば,これを双方折半(ほとんどの場合,この基準になっています。)ということで財産分与が行われます。

5 慰謝料
 慰謝料は,婚姻中に不貞,暴力などで精神的,身体的に傷つけられた人から請求するものです。この慰謝料を請求するには,不貞や暴力などを証明できる資料を確保しておく必要があります。資料がないと,話し合いのテーブルにのせることが難しくなります。

6 面会交流
 面会交流は,一緒に暮らしていない親が子と定期的に交流することです。一言で言えば,子の福祉のために認められたもので,面会交流を行う日時,頻度,場所,方法などを話し合うことになります。
 当事者双方の対立が激しいと,合意が難しくなりますし,合意できても,離婚後の面会交流の実施がほとんどなされないという結果にもなりかねません。何らかの立法的措置が必要でしょう。

7 年金分割
 平成19年4月1日以降の離婚について,婚姻期間中の厚生年金を当事者間で分割することができる制度です。
 按分割合は,実務的にはほとんどの場合,0.5となっているようです。